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WEBeeコラム

2018/05/18

自社の “強み” を活かす・伸ばす事の大切さ

 

筆者は中小企業支援の仕事に就いて26年になりますが、年を追うごとに強く感じるのは、自社の「強み」を見極め、これを徹底的に“活かす・伸ばす”を図っている企業は業績も良いという事です。これは時代の変化には関係なく「経営の原理原則」に属するものといえるでしょう。

中小企業の場合、経営資源には限りがある上、残念ながら“弱み”も少なからず存在します。弱みの改善には、大きな時間・労力・費用を必要とすることが多いものです。まず、足元の強みに着目した方が、結果として顧客の支持を 得ることができ、自らの存在価値を発揮できます。

一つの例として、ここでは典型的な中小企業、「まちの電器屋さん」を挙げます。大型店の進出やネット販売の定着など、外部の環境としては向かい風が強く、業況は苦戦を強いられているケースも多いようです。しかし、一方で善戦健闘を続けるお店が存在しているもの事実です。

例えば、地場に根差した「地域密着」にて、閉店後の夜間に急なお客様にも快く対応する「小回り性」、故障した場合にはすぐ自宅に伺い修理対応する「アフターサービス」などを活かすことによって、存在価値が高まるはずです。地方部では高齢化も進み、電球が切れた老夫婦のご家庭には電話一本で商品をお届けし、脚立に上がって電球を交換して差し上げる。その際、ついでに電灯の笠上のホコリも化学ぞうきんで拭くサービスまで行えば、高い所に登るのを避けたいご高齢の夫婦は喜びます。一方、最近の家電製品はデジタル化が進み、新製品の使い方が使用説明書を見ても分からないといったケースも考えられます。その際も、自宅まで訪問し、手取り足取り使い方を親切丁寧に教えて差し上げる、などの“痒い所に手が届く”サービスへの特化です。

これらの取り組みは地味ではあるものの、大型店やネット販売では対応し切れていない部分です。そして結果として「まちの電器屋さん」の「弱み」も相対的に解消してくれる点は注目すべきです。例えば、前述の高齢ご夫婦にすれば、販売価格は大型店よりも割高であるものの、アフターサービスまで含めて考えれば自店から購入してくれます。品揃えの少なさも弱みの1つですが、このご夫婦にすれば信頼するお店がお薦めする商品なら、それを指名して買うことも多いでしょう。訪問販売を主体としていますので、店が狭い・遠い・駐車場がない等の物理的な弱みも解消できています。

むろん、弱み全てを看過する訳ではなく、段階的な改善を図る必要はありますが、まず優先順位として「強みを徹底的に伸ばす・活かす」を図った方が結果として効果が出易く良い展開につながる、という事です。

自社の強みに着目し、客観的な視点で“棚卸し”してみる。弱みの把握・改善よりも作業自体が楽しくなってくるはずです。ぜひ、自社全員でトライされてはいかがでしょうか。

 

講師プロフィール

坂本 篤彦

坂本 篤彦 ビジネス・コア・コンサルティング 代表 中小企業診断士

日本マクドナルド㈱を経て、平成3年、東京商工会議所入所。ベンチャー企業の事業展開支援や中小企業のM&Aサポート事業の企画・立案および運営等に携わる。平成14年10月独立し、ビシネス・コア・コンサルティングを設立。創業・ベンチャーの事業展開支援や中小企業の経営革新支援など実践型のコンサルティングを展開する。中小企業大学校東京校の経営後継者研修ではゼミナールを担当し、後継者の育成にも注力している。