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WEBeeコラム

2018/05/28

マーケティング、顧客分析の次は何をするの?

前回お話した既存顧客分析から特に把握したい情報は、①真のターゲット、と②そのターゲットから見た支持理由(強み)です。もしもこれらが把握できたならば、それは素晴らしく幸運な事です。なぜなら、「ターゲティングこそがマーケティング上の最重要課題」ともいえるからです。しかしながら、商品開発や営業活動で「明確なターゲティング」を実施されている事業者様は、実に少ないことも事実です。皆様には既存顧客分析実施後は、ターゲットを再確認し、改めてターゲットを明確化されることを強くおすすめします。

ターゲティングに続く工程は、そのターゲットへの最適なマーケティング・ミックスの開発です。マーケティング・ミックスとは、最初に提唱されたボーデン先生によると、「企業がマーケティング目的を追求するために使う一連のマーケティング・ツール」と定義されています。そしてマッカーシー先生はその構成要素を4P(Product製品、Price価格、Promotion販促、Place流通チャネル)と提唱しています。

この実践例に、まるか食品株式会社の「イカ天瀬戸内れもん味」という商品を見てみましょう。2013年12月の発売以来、4年を要せずして販売累計1,000万袋を突破した大ヒット商品です。れもん味の揚げイカという「主に男性客向け」のおつまみの類で、もともとは地元用の期間限定商品として開発されました。しかし残念ながら発売当初は地元スーパーからの引き合いはあまりなかったのです。ところが、地元キヨスクや土産物店では好調でレギュラー化のリクエストが多かったため、レギュラー化を決定します。その過程の聞き取り調査で、「若い女性観光客が多く購入している」事実を把握し、リニューアルに向けてはターゲットを「尾道に母娘で観光に来る若い女性」に変更したのです。そしてリーダーを含めてすべてのメンバーが女性の開発チームを編成し、徹底した女性目線で開発したことが今日の大成功へとつながったのです!

新たなターゲットに向けた商品とするために、ターゲット目線によるターゲットに最適な、①製品:女性好みのネーミング、パッケージ・サイズ(従来品より小型化)とデザイン(ポップなデザイン)及び機能(チャック付)、内容物の味(油っぽさをマイルドにするためのれもんの酸味の強化)とサイズ(従来品より小型化)、②価格:自分用やばらまき用ご当地お土産に適した手頃な価格、③販売促進:若い女性観光客が閲覧するWebや観光中に接触する可能性の高い地元観光協会経由の媒体(現在では多数のマスコミ取材)、④流通チャネル:ネット販売とセレクト・ショップ、としたのです。

このようにターゲットさえ決まれば、4Pの最適化が容易で、成功の確度は高まるのです。なぜなら、随時ターゲットに見せて、聞いて、最適化した商品に仕上げていけばよいのですから。さあ、皆様もこの「ターゲティングとそのターゲットへの最適4Pの開発!」にチャレンジしてみてください!!

イカ天瀬戸内れもん味 写真

講師プロフィール

小峯 孝実

小峯 孝実 UNICOコンサルティング 代表

首都大学東京航空宇宙システム工学科卒。個人飲食店での修行やFC本部での店舗開発等の経験を経て、1992年に都内で飲食店を開業。その後は多角化により事業を拡大。2007年にUNICOコンサルティングを設立し、食品業界(製造工場、卸、飲食店ほか)を中心に実践的コンサルティング活動を実施。最近はインバウンド対策や海外展開支援の実施も多い。また、中小企業大学校講師や東京都中小企業振興公社若手商人育成アドバイザーなどにも携わる。

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