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2019/01/08

「景気回復=人手不足」⇒「働き方改革」×「人事マネジメント戦略」

 「戦後最長がみえてきた景気回復」による人手不足と、戦後70年ぶり二番目の大改正といわれる「働き方改革」の波をどう乗り切るのかを、多くの企業・経営者が悩まれていると思います。
 この機会をポジティブにとらえて、人事マネジメントについての意識および役割を変革させ、持続的な業績向上に貢献するものとしていくことが必要です。

 2012年12月以降から景気の回復・拡大が続きこのまま2018年12月を越えれば、2002年1月から2008年1月の「いざなみ景気」を越え、「戦後最長」の景気回復となるといわれています。この景気回復は、東京だけでなく東京以外の地域および中小企業まで及び、有効求人倍率が1倍を超え、完全失業率も2%前半まで低下しています。
 平成30年度版中小企業白書によると、中小企業の抱える経営問題は、「求人難」を上げた企業の割合が、ここ数年で増加しており、人手不足が経営上の課題としても強く認識されています。

 一方、働き方改革関連法は、日本の雇用システムに内在する2つの難題である「長時間労働問題」と「正規・非正規労働者間の格差問題」を解消し、テレワーク[1]をはじめとする柔軟な働き方を整備していく礎として制定されました。今後、労働時間および年次有給休暇の管理体制、同一労働同一賃金という均衡待遇を厳格に対応すべく、企業として努めていかなければなりません。

 人手不足を解消するために、採用強化のために賃金引上げを実施されていると思います。加えて、労働力の対象となる層を広めてはいかがでしょうか。これこそ働き方改革による法改正を活用できる場面と考えられます。
・その人なりの柔軟な勤務体系を提供する
・年齢幅を広げる
このふたつの要素で、エントリー対象者は、女性およびシニア層にひろがります。
女性およびシニア層を活用するには、以下の施策が必要となってくるでしょう。

 好景気の機会を活用するためには、自らの製品・サービスの付加価値を高めることで各企業がより収益を上げ、従業員へ分配することが必要です。
 企業の付加価値を創造していくカギは、自社の人材です。その大切な人材を、どのように確保するのかを「経営戦略」とともに「人事マネジメント戦略」として進めていくことが求められています。
 「若手・男性という採用にこだわる」のも良いでしょう。一方で、「女性・シニアの活用」を自社の人材マネジメント戦略として組み込み、どのような方法で採用強化していくかを考えるのが人事マネジメント部門の役割です。
 「人手不足」と「働き方改革」は、自社の風土や経営理念に合った人事マネジメントを構築する好機であると考えます。

 

[1] テレワークとは、ICT(情報通信技術)を利用し、時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方です。(総務省)

講師プロフィール

羽田 香弥子

羽田 香弥子 羽田事務所代表 社会保険労務士・中小企業診断士

大学卒業後、大手自動車関連製造業にて販売促進業務に従事する。その後、専業主婦を経て、社会保険労務士(平成15年)および中小企業診断士(平成17年)として独立する。従業員としての立場、従業員を支える家族、フリーランス(個人事業主)と多様な立場を経験し、それぞれの立場を理解しながらのコンサルテーションが特徴である。
現在、経営にとって最も重要な資源である【ひと】に関する労務管理体制を整備することにより、人事面のリスクを最小限し、経営者および従業員に、付加価値創造業務への集中を促すべくサポートを実施している。

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