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WEBeeコラム

2019/01/24

「時は今!“第二創業”のすすめ」

 近頃、経営者から「新規事業」に関する相談を受けることが多くなりました。将来の展望を考えた際、“手詰まり感”から、新たな事業を立ち上げて、新たな収益の柱にしたいという意図が多いようです。いわゆる“第二創業”を果たそうという戦略です。我が国は本格的な人口減少の時代を迎え、市場の縮小均衡が進みますので、一層そのニーズは強まっていくはずです。

 自社の新規事業の方向性を考えるうえで、ヒントとなるのが、「アンゾフの成長ベクトル」という考え方です。一般に、企業は自社が扱う「製品・サービス」をターゲットとする「市場」へ向け販売を行っています。それぞれ、“既存”と“新規”に区分できますので、組み合わせとしては、下記の4つとなります。

①既存製品×既存市場(市場浸透戦略)

②既存製品×新市場(新市場開拓戦略)

③新製品×既存市場(新製品開発戦略)

④新製品×新市場(多角化戦略)

 これらのうち、第二創業(新規事業の立ち上げ)に関するものは②~④が該当します。では、我々中小企業はどの方向性を志向すべきでしょうか?筆者は、②新市場開拓戦略か③新製品開発戦略を原則として検討することをお薦めしています。なぜ④多角化戦略は選択すべきではないのか?

 それはずばり、リスクが高過ぎるからです。製品も市場も新たにするとなると、自社の経営資源で本当に出来るのかという疑問が生じるはずです。逆に言えば、②と③を薦めた理由は、製品か市場のどちらかは「今の強み」をフルに活かせるからです。それであれば限られた経営資源の中でも展望が開けやすくなるはずです。

 前述の②新市場開拓戦略と③新製品開発戦略ですが、あまり大上段に構えずに“身の丈”ベースで検討することもポイントです。以下、身近な例を挙げます。

 ②は、理容室の「レディース・シェービング(女性向けの顔剃り)」サービスの導入があります。理容師は、美容師と異なり、免許の特質上「カミソリ」の使用が認められています。これを利用すれば、従来は接点のなかった女性客の取り込みが可能となります。

 ③としては、「既存製品の用途の転換」があります。例えば、広島県熊野市は古くから「筆」の産地として知られていまが、本来の筆としての用途は激減している一方、メーキャップ用の化粧筆として広く認知されるようになっています。

 なお、これら新規事業の検討で大切なポイントがあります。それは「タイミング」です。つまり“既存事業が元気なうちに、新たな布石を打つ”ことです。一般に、既存事業が元気なうちは、危機感の薄さから、なかなか新規事業のアイデアが出ないことが多いようです。

 筆者はこの種の経営セミナーに参加することをお薦めしています。講師から基本的な考え方やノウハウを得るだけでなく、他の異業種の参加者の発想やアイデアに触れることで、自社内にいては生まれてこなかった“斬新なアイデア”に閃く契機となるからです。

講師プロフィール

坂本 篤彦

坂本 篤彦 ビジネス・コア・コンサルティング代表

日本マクドナルド㈱を経て、平成3年、東京商工会議所入所。ベンチャー企業の事業展開支援や中小企業のM&Aサポート事業の企画・立案および運営等に携わる。平成14年10月独立し、ビシネス・コア・コンサルティングを設立。創業・ベンチャーの事業展開支援や中小企業の経営革新支援など実践型のコンサルティングを展開する。中小企業大学校東京校の経営後継者研修ではゼミナールを担当し、後継者の育成にも注力している。