INTERVIEW 02 役員篇
株式会社通宝 インタビュー
制約なく受講できるからこそ
社員の学びの機会が増加
株式会社通宝
専務取締役 営業本部長
坂口 徳一さん
定年以外の離職者が少なく、各セクションで経験豊かな従業員が活躍し続けている通宝。人材育成については、創業以来、各現場のOJT頼りの時代が続きました。しかし、約3年前から、本格的な研修制度の導入に着手。どのような背景で中小企業大学校やWEBee Campus(ウェビーキャンパス)を活用し始めたのか、今後、どのように活用の幅を広げていこうと考えているのかについて、坂口専務にうかがいました。
中小企業大学校人吉校の開校が、人材育成強化のきっかけになりました
御社の人材育成の取り組みは、どのように変わってきたのでしょうか。
私どもは昭和30年代に創業し、高度経済成長期やバブル期、その後の長い低迷期などを従業員一丸となって駆け抜けてきました。ありがたいことに中途離職者が少なかったため、経験豊富な従業員が長年活躍してくれています。このため、新入社員や若手従業員の育成については、各現場のベテラン従業員に監督してもらうOJTで十分にカバーできていると考えていました。
転機となったのが、1995年の中小企業大学校人吉校の開校です。当社では、もともと事業拡張や助成制度活用などについて、中小機構の担当者に相談することが多く、信頼関係がありました。このため、担当者から開校の通知を受け取ったことで、社員のスキルアップや社外研修の必要性を認識したのです。すぐに『まずは経営陣で受講してみようじゃないか』と試験的に受講してみることに。研修内容の濃さや有用性を実感できたことから、幹部育成の一環として、総合職の若手・中堅社員に人吉校で研修を受講してもらうようになりました。これが、当社における研修の制度化のきっかけです。
WEBee Campusを導入して、従業員の負担を大幅に解消できました
WEBee Campusは、どのような経緯で導入なさったのでしょうか。
当社の経営陣が現体制になったのは約3年前です。このころから、事業規模の拡大に応じて新入社員の採用数を増やし初めていました。中小機構の担当者からWEBee Campus開講の通知をいただいたのは、研修実施体制のさらなる強化を重要な課題と考えはじめたタイミングだったのです。
従業員に中小企業大学校の研修を受けてもらううえで、最大の障壁だったのが、移動時間・拘束時間の長さです。本社から人吉校まで片道1時間30分ほどかかりますし、泊まりがけのプログラムも少なくありません。従業員にかかる負担が大きくなってしまうため、なかなか受講の機会を増やせずにいたのです。
しかし、WEBee Campusなら各自が在籍するオフィスからオンラインで受講できます。さっそく幹部候補の社員に受講してもらうと、移動や不在期間の引き継ぎなどの時間の短縮化により、精神的なストレスや業務上の負担を大幅に軽減できるという報告を受け、本格的にWEBee Campusの受講機会を増やしていくことにしたのです。
社員の職務や要望に応じて、多くのチャンスを提供したいですね
今後、WEBee Campusをどのように活用していく予定でしょうか。
これまでのところ、どの従業員にどのようなプログラムを受講してもらうかは、経営陣や各部門の管理職が協議して決めてきました。しかし、WEBee Campusの登場によって、会社としても研修の受講機会を拡大しやすくなりました。今後は、プログラムの年間スケジュールを全従業員に公開し、できるだけ本人の希望に沿って機会を提供するようなスタイルに変えていきたいと思っています。『この分野について知見を深めたい』という意欲こそが大きな原動力になると考えるからです。
一方で、経営陣としては、通常の中小企業大学校の研修プログラムにも大きな利点があると考えています。単に学べるというだけでなく、他社の受講生と空間・時間をともにすることで、視野や人脈を広げる貴重な機会でもあるからです。そこで、社外の人とやりとりすることが多く、緊急の要件が入りやすい営業系の社員にはオフィス不在にせずに受講できるWEBee Campusを中心に学んでもらい、視野が狭まりがちな開発系の社員には人吉校に通ってもらうといった具合に、オンラインとオフラインのメリットをうまく活用して、個々人に最適な研修を設定したいと考えています。
当社では、研修を受けた社員には、受講後にレポートを作成・提出してもらっているのですが、継続的にレポートを見ていると、言及する内容の幅や深度に広がりを感じます。研修というと、ついつい『実践で役立つかどうか』という即効性の部分にフォーカスしてしまいがちですが、大切なのはそれだけではないと思うのです。受講後、自分の仕事の中で『あのときに学んだことは、こういうことだったのか』と時間が経ってみて改めて気づくこともあるはずです。そんな深い学びを得るという意味でも、受講の機会はどんどん拡充して、社員の成長につなげていきたいですね。