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WEBeeコラム

2018/08/21

経営に活かす正しい決算書を作成するためには

中小企業の経営者や管理者の中には、自社の決算書を経営に活かそうと考えている方も多いのではないでしょうか。決算書を経営に活かすためには、決算書の読み方や管理会計の知識がある程度必要となります。最近、決算書に関心が高まっているのか、ビジネス雑誌で決算書をテーマにした特集が定期的に組まれ、決算書関連のビジネス本も増えているように思えます。数字が苦手で決算書が難しいと感じている経営者や管理者の方は、こうした決算書本から勉強すると良いのではないでしょうか。

ただ、自社の決算書を経営に活かすためには、会計の知識を身に付けるだけでは不十分です。そもそも自社の決算書が経営に活かせるだけの決算書であるのかが何より重要となります。中小企業の中には、節税対策や金融機関対策など、必ずしも企業の実態を表さない決算書を作成しているケースが見受けられます。経営者や管理者が、このような決算書に基づき経営を行えば、経営判断を鈍らし、会社を誤った方向に向かわせるリスクが生じます。また、外部の利害関係者に対する企業の信用を落とし、会社経営に支障をきたすかもしれません。自社の決算書を経営に活かすために、経理担当者や顧問税理士と協力しながら正しい決算書を作成していきましょう。

正しい決算書を作成するためには、適切な会計ルールを適用することが求められます。ただ中小企業では、税法基準ベースで決算書を作成しているケースも多いのではないでしょうか。一方、上場企業が適用する企業会計基準では、高度で複雑な会計処理が要求され、事務負担も重くなるため、中小企業では適用が難しい会計ルールです。そこで、中小企業にお勧めする会計ルールが中小会計要領(※)です。中小会計要領は、中小企業の実態に配慮して、税制との調和や事務負担の軽減を図る観点から、多くの中小企業の実務で必要と考えられる項目に絞って、簡潔な会計処理等を示しています。また、中小会計要領を適用した決算書により、会社の信用力も高まり、資金調達力や取引先の拡大が期待できます。さらに、融資関連や各種補助金制度においても優遇策があります。これまで会計ルールが税務基準もしくは明確でなかった中小企業においては、中小企業要領を積極的に適用することをお勧めします。

決算書は、企業の健康診断書と呼ばれることがあります。決算書の診断によって、企業の健康状態を把握し、病気があれば早期発見が可能となり、施す対策の選択の幅が広がり、まさに決算書を経営に活かすことができるようになります。中小企業の経営者や管理者の方は、会計の知識をある程度身に付け、適切な会計ルールを適用した正しい決算書に基づき適切な経営判断を行い、企業の健康状態をより良くするための会社経営を心掛けて下さい。

 

※   中小企業庁ホームページ|財務サポート「中小会計要領」参照http://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/youryou/

 

 

講師プロフィール

佐々木 一誠

佐々木 一誠 株式会社ランプラス 代表取締役

公認会計士、税理士、中小企業診断士。中央監査法人(みすず監査法人)、あずさ監査法人勤務を経て、2012年に会計事務所を開設し独立。監査法人勤務時は、上場企業・会社法監査などの会計監査の他、株式公開準備支援、内部統制構築・評価支援、財務調査等のコンサルティング業務に携わる。独立後は、会計監査の他、中小企業への会計・税務支援、経営改善計画策定・実行支援、事業承継支援を手掛ける。また、中小企業大学校では経営改善計画策定支援研修及び財務分析研修の講師を務める。

担当コース

財務管理

2018/09/18〜2018/10/30

モデル事例で学ぶ!財務分析実践講座

財務管理

2018/11/06〜2018/12/04

経営に活かす!決算書の見方